RBBTODAYさんより
同作は、15年前の不幸な出来事によって絶望に突き落とされた一人の女性を取り巻く、愛と罪と狂気を描くラブサスペンス。渡辺は、ミュージカル女優を夢見ていたが、11歳のときに起きた殺人事件で兄が犯人として逮捕され、加害者家族として生きることになった少女「ひかり」を演じる。今回のドラマでは、15年経ってもミュージカル女優を目指す「ひかり」が、生活費のためにキャバクラで働くシーンも登場するなど、渡辺の新たな役どころも注目を集めている。
6月には初主演ミュージカル『アメリ』を成功させ、9月にもミュージカル『シティ・オブ・エンジェルズ』を控えている渡辺。「ひかり」に共感する部分や今後挑戦してみたいことなど話を聞いた。
■今回は笑顔のない役に挑戦
――まず、ひかりをどのように捉えて演じていますか
渡辺:今まで演じたことのない役柄だったので、悩みもありました。でも、私は性格上考えすぎると成功しない人間なので、あまり考えすぎないようにしよう取り組もうと思っています(笑)。ちゃんと考えるところは考えつつも、肩に力を入れすぎず、良いバランスで演じられたらなと思いました。物語が進んでいく中でひかりの状況や気持ちがどんどん変化していっているので、常に寄り添えるように心がけながら演じています。
――渡辺さんの新たな一面としては、どんな部分が見られる役どころなのでしょう?
渡辺:今のところ、ドラマ中に笑顔がありません。アイドルとしての私を知っている方は、笑顔の印象が強いと思うんです。今回は初めて見る顔だという視聴者さんもいらっしゃるのではないでしょうか。以前から知ってくださっていた方には「こんな顔もするんだ」と思っていただけたら嬉しいです。
――撮影が始まってしばらく経ちましたが、変化はありますか?
渡辺:もう数週間も経ったんだなぁと。ついこの間クランクインしたような感じで、あっという間に過ぎています。最初の頃に比べると徐々に感覚も掴んできて、役の人間的な部分やお話の世界観が身体に入ってきました。
――ドラマ前半では、ひかりはあまり救いがないので、演じていて、ずっと辛い心理状態に置かれているのは大変そうですが……。
渡辺:お話の題材も重たいテーマで、ひかり自身の置かれている状況や歩んできた人生も暗くて救いのないような状況ですので、演じていてもちょっと追い込まれる感じはあります。最初は、自分自身もと心にくることもありましたが、時間が経ってからは上手く処理できるようになってきました。辛くても逆にそれがお芝居に活かされて、ひかりのリアルな姿に繋がるかなと思っています(笑)。自分が辛い分には別に構わないです。
――では、辛い表情はカメラが回っていないときの渡辺さんの表情ともリンクしているのかもしれない?
渡辺:けっこう序盤から辛かったのでリンクしていると思います。あえて自分から辛い部分に追い込んで、嫌なことばっかり考えて落ち込ませながら演じていたので、良い感じに自分ひかりがリンクしているのかなと思います。
―撮影中は気持ち的にも苦しくなることが多いと思いますが、撮影後は何か気持ちをリフレッシュさせることをやっていますか?
渡辺:撮影後は、家に帰ってお風呂に入って次の日の台本を覚えたりする作業しかしていないので、特にやっていることはありません。でもこの間、たまの撮影休みの日があったので、少し外を歩いたりしました。カフェで何も考えずにカフェラテを飲んだり、ぼーっとなんにも考えない時間を過ごす。仕事をしていると、やっぱり時間に追われることが多くあるんですけど、何もない!って状態でぼーっとするのが、一番のリフレッシュ方法です。
――AKB48を卒業して、今はドラマや舞台の仕事がメインになり生活リズムは変わりました?
渡辺:変わったようで変わってない……。時間に追われる生活は変わらないな、とか(笑)。だけど、AKB48はすごく不規則ではあったので、そこは変わったかもしれません。
――そうなんですね。
渡辺:急に予定が決まったり、なくなったりといった、突発的にいろいろ起こるお仕事が多かったので。そういうことがなくなったのは、少し変わったかな、と思います。忙しさで言うとあまり変わらないです。逆にAKBのときの方がゆとりがあったのかな。意外と忙しいのは夏場や年末で、ゆったりとした月もあったんです。AKB48は、割りと世間の方が思っているほど、一年中忙しくはないかもしれないです。
■ドラマ内にはミュージカルシーンも登場!
――ひかりに共感できる部分は?
渡辺:意地悪をしてくるキャバクラの女の子たちに「あんた、そうやって同情を引いてるんでしょ」みたいに言われて、「私はこの15年間、誰の助けも借りずにたった一人で生きてきたんだ」というような台詞を言い返す場面があるんですけど、私も他人に頼らずに生きてきたので、置かれている状況はひかりと全然違いますが、そのセリフは共感できました。
――ひかりは世間に隠れるように生きていながら、華やかな舞台に立つミュージカルの劇団にも所属している。そういった相反する気持ちが共存していますよね。
渡辺:苦しさの中でも、やっぱり唯一の生きがいとしてやってきたミュージカルのひとときが、ひかりの唯一楽しく自分自身でいられる時間。それがないと本当に彼女は生きていないようなもので、劇団が生きている心地がする場所であり、その存在に生かされているところはあると思います。
――ドラマ内でミュージカルシーンは登場するのでしょうか?
渡辺:現段階では、稽古場のシーンを撮影しているところです。後々、ミュージカル公演シーンも出てくると思います。
――歌唱シーンやダンスシーンも?
渡辺:あります。ちょこちょこあるので、下手な歌を聞かせないようにしっかりやろうと思って頑張っています。今は稽古場のシーンが多いですが、本番のシーンも、良いクオリティーのものをきちんとお見せ出来るように頑張りたいと思います。
――気合いを入れてれて挑むことになりそうですね。
渡辺:ミュージカルを題材にした作品が増えていますが、中途半端なものが一番良くないなと思っていて。ミュージカルファンとしては、やるならちゃんとやって欲しい、という気持ちがあります。だから、今回は私がやる立場の人間なので、「きちんとやろう!」という気持ちがすごくあります。自分でハードルを上げましたが、頑張ります(笑)。
――では、ミュージカルシーンでは活き活きとした表情のひかりが見られそうですね。
渡辺:そうですね、ひかりもミュージカルの場面ではまったく別人のように活き活きとした表情になると思うので、そこも演じながら表現していきたいなと思います。
■ファンにも愛を返したい
――6月んいミュージカルに初主演されて、9月にもまたミュージカル公演がありますが、今後やってみたいお仕事は?
渡辺:ミュージカルはまだ1度の経験ですが、もっとやってみたいな、という気持ちはとてもあります。舞台にもいろいろなジャンルがあるので、ミュージカルだけじゃなく、普通のストレートプレイのお芝居の舞台にも挑戦してみたいです。今までは映像がメインでしたけど、舞台にももっと挑戦してみたいなという思いがあります。
――舞台は、やはり生のライブ感が魅力なのでしょうか。
渡辺:そうですね。私は舞台の方がはっちゃけられる気がするんです。エネルギーを放出できる感じ、その感覚がすごく気持ちがいいので、生の舞台はそれが良かったですね。
――ファンクラブも新しく立ち上げられて、今後ファンとの交流の予定は?
渡辺:ファンクラブイベントも決まっていて、AKB48を卒業しても応援してくださるありがたいファンのみなさんがいらっしゃるので、たくさんの愛でお返ししたいです。今後もいい関係を築いていけたらいいなと思っています。
■雨の思い出はやっぱりあの総選挙
――ドラマのタイトルにちなんで、雨の日の思い出を教えてください。
渡辺:私はすごく雨女で、大事な日はたいてい雨なんです。やっぱり忘れられないのは、2014年にAKB総選挙で1位を獲った時のどしゃぶりの雨。あれは忘れられない雨です。
――では、雨の日は別に嫌いじゃない?
渡辺:意外と嫌いじゃない。降っているとテンションは下がるんですけど、でも、意外と雨の日に良い思い出があったりするので、嫌いではないです。
――今回も雨に関連して、思い出深いドラマになりそうですね。
渡辺:そうなるといいなと思います。
――最後にドラマを楽しみにしているみなさんにメッセージをお願いします。
渡辺:この作品一言で言うとラブサスペンスになるのですが、本当に毎回いろんな波乱ある展開が巻き起こり、ハラハラドキドキで「この人が犯人なのか?」「この人が怪しい?」という人物が続々と出てくるので、毎週みなさんも推理するようにのめり込んで観ていただけると嬉しいです。まだ自分自身は追い詰められていて余裕がないので、ちゃんと客観的に作品を見れていないのですが、少し冷静になって客観的に見てみるとお話の展開もすごいので「面白いんじゃなかろうか」と思っています(笑)。「土曜の夜になんかヤバイのやってるよ!」と話題になったら嬉しいですね。
初回のひかりの表情と、最終回第8話のひかりの表情の変化が見どころだと制作陣も語る本作。『いつかこの雨がやむ日まで』(東海テレビ・フジテレビ系、毎週土曜23:40~ ※初回23時45分~24時40分)は8月4日よりスタート。
https://www.rbbtoday.com/article/2018/08/01/162452.html


